住吉山手の家

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木造2階建 新築 戸建住宅 2015年

街並みを配慮した住宅を建てたいという、高い意識をお持ちのお施主さんご夫妻が、大正から昭和の住宅について深いご興味をお持ちで、私どものホームページの阪神間モダニズム住宅についての記載をご覧になり、ご依頼いただきました。
外観は、漆喰系の左官材で外壁を塗装し、和瓦の屋根、外部建具とあわせて、大正から昭和にかけての和洋折衷の住宅の雰囲気を持たせました。外部建具は、性能の面から、既製品の木製建具を利用し、格子はディテールにこだわって建具屋さんに製作を依頼して、金物も雰囲気にあったアイアンワークのものを中心にご提案しました。内装は、壁は漆喰系の左官材や、自然素材の左官材など、調質性等の機能を重視して選択されました。内装床は無垢のフローリング、建具は建具屋さん、家具は家具作家さんに依頼され、照明やステンドグラスはアンティークのものをご自分たちで探されて、外観にふさわしい邸宅を思わせるデザインにまとめられています。
薪ストーブを1Fに設置して、1階と2階子供部屋に暖気が回るよう、開け閉めできる開口部を設けています。
手軽な工業製品で構成された現代の住宅ではなく、性能を守りながら、昔ながらの材料や作り方でどこまで意図が実現できるか、お施主さんの思いが表れている住宅です。